ふたりだけの特別な絆
「その慌てっぷりも可愛いよな。和む。」
「どこが和めるんだか、理解不能なんですけど!」
微笑んでいる悠哉さんをキッと睨むと、不意に私の背中に回されていた手が離れた。
「これ以上…拘束してると、陽菜の機嫌を大きく損ねそうだから、やめとくよ。」
「は…?」
突如…腕の中から解放された私の口からは間の抜けた声が漏れた。
な、何なの…?
さっきは、私の言葉を聞き入れてくれなかったのに…。
気が変わったとか?
そ、それとも…
何か思惑があったりして…。
目を細めて、ジーッと疑いの眼差しを向けると、悠哉さんは顔を近付けてきた。
「なんだか、物足りなさそうな表情してるな…。本当は、もっと抱きしめていて欲しかった…とか?」
「そっ、そんなこと…あるわけないじゃないですかっ!!変な勘違いしないで下さい!」
私は慌ててベッドから降りて、悠哉さんから離れた。