ふたりだけの特別な絆
それなら…せっかくだし、教えてもらっちゃおうかな…。
今日の課題、少し難しい箇所があったんだよね…。
そう思いながら、テーブルに置かれていたテキストを手に取った。
あ…。
でも、仕事してきて疲れてるのに、私の勉強を見てもらったりしたら、余計疲れちゃうだろうな…。
夕食だって、いつも悠哉さんが殆ど準備してくれてるわけだし、勉強まで頼るのはダメだよね…。
よし。勉強は…夕食が済んだら、自分で何とか終わらせよう。
「どうした?勉強…始めるか?」
不思議そうに私の顔を覗き込む悠哉さんにフルフルと首を振った。
「あ、あの…勉強は後で自分でやります…。それより、夕食が終わったら、仕事で疲れた体をゆっくり休めて下さい…。悠哉さんには、体調…崩して欲しくないですから…。」
手に持っていたテキストをテーブルの上に戻すと、悠哉さんはネクタイを緩めながら、私の隣に座った。
「…陽菜は優しいな。」
温かみのある穏やかな声にカァッと顔が熱くなっていく。
「そ、そんなこと…ないです。」
照れくさくて、咄嗟に否定的な言葉をポツリと呟くと、悠哉さんは私の手を握った。