ふたりだけの特別な絆
「じ、時間も時間ですし…夕食にしませんか?」
この状況から脱するために、話題を変えようと試みたものの…
「まだいいよ。今は陽菜に集中したいから。」
悠哉さんにサラッと断られ、呆気なく失敗に終わってしまった。
何よそれ…。
集中なんか、しなくていいってば!!
心の中で思いっきり叫んでいると、悠哉さんはソファーに広がる私の髪に軽くキスを落とした。
「陽菜…。」
優しく囁きかける声。
名前を呼ばれてピクッと肩が動いてしまった。
私、心臓が早鐘のように鳴ってる…。
ど、どうしようっ!!
このままじゃ、悠哉さんのペースに完全に飲み込まれちゃう…。
今までにないような、甘ったるい空気に…
囚われそう…。