ふたりだけの特別な絆

事の発端は昨日の夕食前。


悠哉さんが料理を作ってくれている間、私はリビングでタウン情報誌を見て待っていたんだ…。


その雑誌の中に、このショッピングモールの特集が組まれていて、記事を見ていくうちに…ポツリと呟いちゃったんだよね…。


“また、ここに行きたいなぁ…。”って。


そうしたら、ちょうど夕食が出来たことを伝えるために、私の傍まで来ていた悠哉さんに聞かれちゃって……


「なるほど。陽菜…そこに行きたいのかぁ…。ちょっと遠出のデートにピッタリだし、そのショッピングモールに行こうか!」


…その言葉で、お出かけの場所が一瞬にして決められてしまったんだ…。


人が多いことを理由に、私は慌てて拒否しようと思ったんだけど…


「陽菜が行きたい場所に、俺も行きたい…。」


少し甘えるような声で囁かれた上に、ギュッと抱きしめられたら…


ものすごくドキドキしちゃって、悠哉さんに対して、何も言えなくなっちゃったんだよね…。



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