ふたりだけの特別な絆
「デート開始早々、考え事?陽菜は余裕だな。」
「…きゃあっ!」
いきなり目の前に映り込む悠哉さんのドアップの顔。
私は上半身を仰け反らせるようにして驚くと、悠哉さんはニッコリと微笑んだ。
「俺は…お前のことで既に頭がいっぱいなんだけどな…。」
「え…?」
「こっちの話。ほら、行くぞ?デートの時間…無駄にしたくねぇから。」
「ゆ、悠哉さんっ!?」
“こっちの話”って言われると、ますます気になるよ…。
いつもながら、よく分からないなぁ…。
悠哉さんの考えてること。
少し首を傾げていると、悠哉さんは私の手を引いて歩き始める。
「あっ、ま…待って下さいっ!!ストップ!!」
その瞬間、私の口からは、咄嗟にその言葉が零れた。