ふたりだけの特別な絆

や、やだ…。
こんなにドキドキするなんて、どうしちゃったんだろう…。


今までに経験したことないぐらいの大きな鼓動の音に、動揺してしまった。


悠哉さんに、そんな眼差しを向けられると…


なんだか…“それはダメです!”って、ハッキリと断れなくなっちゃうよ…。


「あ、あの…えっと…」


どんな言葉を返せばいいのか浮かんでこなくて、声を詰まらせていると、悠哉さんは私の手を少し強く握った。


「それじゃあ、行こっか!そろそろ昼だし、とりあえずご飯食べる?」


「あっ、はい…。」


咄嗟に答えると、悠哉さんはフワッと柔らかい笑顔を浮かべながら歩き出した。


手もシッカリと繋いだままだし、体は触れそうなほどの近い距離…。


結局、悠哉さんの思うがまま…かぁ。


仕方ない…。
万が一…誰かに目撃された時は、また前みたいに必死に誤魔化せばいいよね…。


そう思いながら、私は悠哉さんに手を引かれて、駐車場からショッピングモールの中へと入った。


それにしても、人…多いなぁ…。


チラチラと周りを気にしながら歩いていると、耳元に吐息がかかるのを感じた。



「周りはいいから、俺だけを見てよ…。」



< 224 / 467 >

この作品をシェア

pagetop