ふたりだけの特別な絆
や、やだ…。
こんなにドキドキするなんて、どうしちゃったんだろう…。
今までに経験したことないぐらいの大きな鼓動の音に、動揺してしまった。
悠哉さんに、そんな眼差しを向けられると…
なんだか…“それはダメです!”って、ハッキリと断れなくなっちゃうよ…。
「あ、あの…えっと…」
どんな言葉を返せばいいのか浮かんでこなくて、声を詰まらせていると、悠哉さんは私の手を少し強く握った。
「それじゃあ、行こっか!そろそろ昼だし、とりあえずご飯食べる?」
「あっ、はい…。」
咄嗟に答えると、悠哉さんはフワッと柔らかい笑顔を浮かべながら歩き出した。
手もシッカリと繋いだままだし、体は触れそうなほどの近い距離…。
結局、悠哉さんの思うがまま…かぁ。
仕方ない…。
万が一…誰かに目撃された時は、また前みたいに必死に誤魔化せばいいよね…。
そう思いながら、私は悠哉さんに手を引かれて、駐車場からショッピングモールの中へと入った。
それにしても、人…多いなぁ…。
チラチラと周りを気にしながら歩いていると、耳元に吐息がかかるのを感じた。
「周りはいいから、俺だけを見てよ…。」