ふたりだけの特別な絆
「このお店にする?」
しばらくショッピングモールの中を歩き、悠哉さんが立ち止まったのは、落ち着いた雰囲気が漂うレストランの前。
返事をしたくても、先ほどのキスの衝撃が大きかった私。
言葉の代わりにコクコクと頷いた。
「んじゃ、決まりだな。」
微笑む悠哉さんに連れられて、私は店内へと入る。
店員さんに案内され、やって来たのは窓際奥のテーブル席。
一旦、繋いでいた手は離され、私たちは対面になるような形で座った。
うぅ…顔が熱い。
こめかみの辺りから、ジワジワと熱が発生してるような感覚だよぉ…。
絶対に真っ赤な顔してる…。
パタパタと手で仰いで顔に風を送っていると…
「そんなに店内、暑いのか?」
悠哉さんの手がスッと伸びてきて、私の頬に触れた。
「きゃっ!ち、違いますっ!!だから、離し……」
電流が走ったかのような感覚に思わず声が零れる。
アタフタしながら言葉を発したものの、途中で言えなくなってしまった。
なぜなら…
頬に触れていた悠哉さんの手が離れて、私の唇に人差し指をあてたから。