ふたりだけの特別な絆

「えっ!?な…何言ってるんですか、もう!」


プイッと慌てて視線を逸らした私。


予期せぬ言葉に、心が大きく震えてしまった。


“癒される”だなんて…思いっきり優しい笑顔で言わないでよ…。


悠哉さんって、突然…ドキッとするようなことを言うから、ビックリしちゃう。

心臓の跳ね方、尋常じゃないんだよね…。


私は、胸元を軽く手で擦った。


でも…なんでだろう。
このドキドキ、嫌じゃない。


悠哉さんの言葉に素っ気なく返しちゃったけど、本当は…嬉しくて心の奥がくすぐられるような感じがしたんだ…。


私は一呼吸おいてから、悠哉さんの表情を伺うべく、ゆっくりと視線を向けた。


すると…目に映ったのは、無邪気に笑っている悠哉さんの姿。


優しい眼差しで見つめられているうちに、私の強張っていた表情も次第に緩んでいく。


気付けば、悠哉さんにつられて、笑顔になっている私がいた。


さっき…“変な顔”って言われて、ちょっと怒ってたはずなのに…


いつの間にか、そんな気持ちは心の中から消えて、悠哉さんに笑顔にさせられちゃった…。


不思議…。



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