ふたりだけの特別な絆
その後、注文したランチセットを食べ終えた私たちは、ショッピングモールを散策し始めた。
私は、度重なるドキドキの波に、これ以上…耐えられない気がして、家に帰りたい旨を伝えようと思ったんだけど…
“せっかく来たんだから、もう少し…ゆっくりして行こう?”
悠哉さんに柔らかな笑顔で声を掛けられたら、何も言えなくなってしまって、気付けば首を縦に振っていたんだ…。
「ここ、本当に色んな店があるんだな。」
「そっ、そうですね…。」
ショッピングモール内の、ゆったりと作られた通路を二人で歩く。
レストランを出た時に、悠哉さんが私の手を再び握ってしまったため、お互い触れ合うほどの距離感だ。
はぁ…。
心臓の音、速すぎ…。
忙しく動き過ぎて、壊れちゃう…なんてことないよね…?
大丈夫かなぁ…。
少し心配をしながら、しばらく歩いていると…
不意に、悠哉さんが握っていた私の手を小さく揺らした。