ふたりだけの特別な絆
「ん?陽菜、どうした?」
「そ、そろそろお店…出ませんか?」
チラチラと周りを見ながら、悠哉さんに訴えた。
「なんで?もっとゆっくり見て行けばいいじゃん。陽菜の笑顔、まだ見ていたいし。」
いやいや…
店内でゆっくりしている場合じゃないよ…!
一刻も早く、ここから出なくちゃ…。
「む、無理です…。そんな余裕…ありません。」
ブンブンと大げさなほど首を横に振った。
これ以上、見られ続けるのも恥ずかしいし…
こうなったら…
「とにかく、このお店を…出たいんですっ!」
「えっ!?陽菜?」
驚いている悠哉さんに構うことなく、私は繋がれた手をグイグイと引っ張って、お店の出口へと歩く。
たくさん視線を浴びながら、逃げるように慌てて外に飛び出した。