ふたりだけの特別な絆
「ど、どうしたんだよ。そんなに急ぐ必要ないだろ?」
悠哉さんから戸惑いの声が漏れる中、私は足早に歩き続ける。
お店から少し離れた場所まで来たところで、私は足をピタリと止めた。
「ゆ、悠哉さんは…平気なんですか?」
「え…?」
「お店にいる人、みんなが私たちを見てたんですよ?私、顔から火が出そうなほど恥ずかしかったです…。」
さっきの光景を思い出すだけで、更に顔が熱くなっていく感覚がした。
「あー…、そう言えば…なんか見られてたみたいだな、俺たち。」
は…反応が薄い。
なんか他人事っぽい感じだな…悠哉さん。
自分との感覚の違いに驚いてしまった。
「俺は…見られていても殆ど気にならなかったんだよな。陽菜のことばかり考えてたから。」
私の顔を覗き込んだ悠哉さんは、優しく笑った。