ふたりだけの特別な絆
「な、何言ってるんですか…!冗談は止めて下さい…。」
「冗談じゃなくて、本当のことだよ。俺の本音。」
人が行き交う中、大胆にも耳元で囁かれてしまった。
「………っ…」
心臓がドキッと大きな音で鳴り響く。
驚きのあまり、声をあげようとしたけれど、口を頑なに閉じて必死に堪えた。
こんな場所で大声出したりしたら、さっきよりも多くの視線が注がれるのは間違いないよね…。
あ、危なかったぁ…。
背中に変な汗がつたっていくのを感じた。
全く…
悠哉さんって…本当に油断ならない人だ…。
一時も気が抜けない…。
爽やかに笑っている悠哉さんに対して、警戒気味な視線を向けていた時だった。
「あ!如月課長っ!」