ふたりだけの特別な絆
……あれ?
今、ちょっと胸がチクッとしたような…
気のせい…??
「陽菜?ボーッとして、どうした?」
悠哉さんから、不意に顔を覗きこまれ、ビクッと体が震えた。
「あっ、えっと……少し喉が渇いたかな…と思って…。」
「それじゃあ、休憩しよっか。あそこにカフェあるみたいだし、行ってみる?」
「は、はい…。」
頷きながら答えると、悠哉さんは私の手を優しく引いて歩き始めた。
私…
喉が渇いてる…なんて言って、咄嗟に誤魔化しちゃった…。
ボーッとしてたのは、水澤さんの言葉が頭の中に浮かんでたから。
それなのに、どうして本当のことを…言えなかったんだろう…?
わざわざ他の理由を作って、すり替えたんだろう…?
自分でも、よく分からないや…。