ふたりだけの特別な絆
「水澤さんの話はいいから、陽菜自身のこと…もっと話せよ。」
悠哉さんの手がスッと伸びてきて、私の頭にポンと軽くのせられる。
それだけで体が無意識に跳ね上がり、私は勢いあまって立ち上がってしまった。
「どうした?」
キョトンとしながら私を見つめている悠哉さんに、体が一気に熱くなる。
「あっ、えっと…その…」
「ん?何?」
ソワソワしながら言葉を発すると、悠哉さんはフッと笑みを零した。
「とりあえず座れよ。なんなら、俺の隣に座る?」
ツンツンと隣の椅子を突いている悠哉さんに、ドキッと鼓動が大きく波打った。
と、隣なんて…無理だよ無理っ!!
悠哉さんってば、何考えてるのよ…!
「せ、席は…このままでいいです。あのっ、私…ちょっと…お手洗いに行って来ます…。」
ビシッとトイレの方を指差した後、私は猛ダッシュでその場から離れた。