ふたりだけの特別な絆
「ったく、別に声ぐらい掛けたっていいだろ?うるせぇヤツ。」
茶髪の男の子は、チッと舌打ちをすると自分の髪をクシャッとさせた。
なんとも面倒くさそうな表情の二人。
その姿をチラチラと見ていると、不意に悠哉さんの手が私の肩に回されて、密着するほど傍に引き寄せられた。
「それなら、早くどっかに行けよ。俺もお前らの顔を見てると…イライラが増して、言いたいことも増えそうだから。」
背筋がゾクッとしてしまうほどの低い声。
放たれた言葉に、男の子たちは一度、悠哉さんをムッとしながら睨んだけれど…
その後、つまらなそうに溜め息を零してから、私たちの横をすり抜けて、お店の出口へと歩いて行ってしまった。