ふたりだけの特別な絆

「ったく、別に声ぐらい掛けたっていいだろ?うるせぇヤツ。」


茶髪の男の子は、チッと舌打ちをすると自分の髪をクシャッとさせた。


なんとも面倒くさそうな表情の二人。


その姿をチラチラと見ていると、不意に悠哉さんの手が私の肩に回されて、密着するほど傍に引き寄せられた。



「それなら、早くどっかに行けよ。俺もお前らの顔を見てると…イライラが増して、言いたいことも増えそうだから。」


背筋がゾクッとしてしまうほどの低い声。


放たれた言葉に、男の子たちは一度、悠哉さんをムッとしながら睨んだけれど…


その後、つまらなそうに溜め息を零してから、私たちの横をすり抜けて、お店の出口へと歩いて行ってしまった。



< 257 / 467 >

この作品をシェア

pagetop