ふたりだけの特別な絆
大人の事情
「あ、あの…私は泥棒と話すことは何もありませんから。」
リビングのソファーにゆっくりと降ろされた私は、男の人におそるおそる視線を向けた。
「だから、泥棒なんかじゃねぇよ。」
男の人は私の傍から離れると、テーブルを挟んで向かい側のソファーに座った。
この人…
結構カッコいいんだ…。
さっきまで、パニックになってたから全く気に留めてなかったけど、顔のパーツが凄く整ってる…。
サラッとした黒髪だし、見た目は紳士な大人のイケメン男性…と言ったところかな…。
で、でも…泥棒なんだから、外見に油断しちゃダメだ…。
「そんなにビクビクするなよ。」
男の人は溜め息を零すと、ジッと私を見つめた。
「まず最初に聞きたいんだけど…あんた、誰?」