ふたりだけの特別な絆
「これからゆっくり説明するから。で、お前…名前は?」
見知らぬ人に名前なんか教えちゃって大丈夫なのかな…?
でも、私が言わないと、この男の人がここにいる理由を聞かせてもらえないもんね…。
一応、先に名乗ってくれたわけだし…。
止むを得ないか…。
「……紗倉 陽菜です。」
小声で名前を言うと、男の人は目を丸くして驚いた。
「ということは…宏明(ヒロアキ)おじさんの娘?」
「えっ!私のお父さんを知ってるんですか!?」
思わず大きな声を出してしまった。
「ああ、知ってるよ。宏明おじさんは、俺の親父と昔からの友人らしいんだ…。俺、小さい頃に何度か遊んでもらったことあるけど、あれ以来…かなり長いこと会ってないな。」
「そ、そうなんですか…。」
なんか…すごくビックリだ…。