ふたりだけの特別な絆
「今の、謝るところじゃないって。」
「そうなんですか!?だって、悠哉さん…ちょっと不機嫌そうな感じだったから…。」
「まあ確かに…。でも今の言葉は否定的な意味で言ったわけじゃないんだよ。その逆。」
「逆…?ということは、えっと…」
首を傾げながら考えていると、悠哉さんは笑いながら私の頭を撫でた。
「ったく、陽菜の言動…可愛すぎるんだけど。」
「えぇっ!?」
普通に受け答えしただけなのに…。
予想もしてなかった悠哉さんの発言に、ポカンと口を開けてしまった。
「さてと、そろそろ夕飯食べようか!急いで準備してくるから、少し待ってて?」
「あっ、はい…。」
小さく頷く私を微笑ましそうに見つめた後、悠哉さんはキッチンに入って行った。
さっきまでは固い表情だったのに、一変して穏やかな笑顔になっちゃった…。
この差って…何?
キッチンで手早く準備を進める悠哉さん。
その姿をボンヤリ眺める私の周りには、ハテナマークがいくつも浮かんでいた。