ふたりだけの特別な絆
戸惑いの一日
「えーっ!!うそっ、翔琉に会ったの?」
「うん。昨日は本当にビックリしたんだよ。」
「そりゃそうでしょ!なんたって、あれから10年経つわけだし。」
翌日。
学校でのお昼休み。
私は、昨日の夜に翔琉くんと会ったことを明衣に話していた。
「あれ?てっきり、明衣の家にも翔琉くんが行ってるとばかり思ってたけど。会ってないの?」
「残念ながら会ってないんだよね…。来てくれたのかもしれないけど、昨日は夜遅くまで家族で出掛けてたからなぁ…。」
「そ、そっか…。」
明衣は、はぁ…とため息を零した。
「私も久々に会いたかったな…。うぅ…陽菜が羨ましいよ…。今度…翔琉に再会出来るのは何年後かな…。」
「あっ、大丈夫!きっと近いうちに会えるって!」
遠い目で教室の窓の方を見つめ始めた明衣に、慌てて声を掛けた。