ふたりだけの特別な絆
「えっ、どうして?」
ハッと素早く反応した明衣の視線が私に注がれた。
「実は、翔琉くん…こっちに引っ越して来たらしいんだ…。だから、またそのうちに会えると思うよ。」
「へぇ…そうなんだぁ!どこに引っ越して来たんだろう…?私の家の隣にあるマンションに、また入ったのかなぁ…。」
「さ、さあ…。そこまで聞かなかったから分からないや…。」
私は首を少し傾げながら答えた。
そういえば、昔は明衣の家の隣に建っている大きなマンションに住んでたんだよね、翔琉くん。
今度は…どこに住むんだろう…?
同じマンションに戻って来る…とは限らないもんね…。
せっかく会ったんだから、聞いておけば良かったな…。