ふたりだけの特別な絆
「急に細かいこと聞いたりしてごめんな。」
「えっ…」
「転入して来た…って聞いたら、クラスのことまで…無意識に気になったんだ。」
チラッと私に視線を向けた後、悠哉さんはため息を零した。
「もっと心に余裕をもたねぇとな、俺。」
「ゆ、悠哉さん…?」
なんだか…浮かない顔してる…。
そう言えば、昨日も翔琉くんのことを色々と聞いた後、気まずそうに謝ってたよね…。
昨日といい今日といい…どうしたんだろう…?
いつもの悠哉さんには無いような雰囲気…。
ジーッと見ていると、悠哉さんは苦笑いを浮かべた。
「あっ、悪い悪い。今のは…ちょっとした独り言だから、聞かなかったことにしておいて?」
「独り言?あ、あの……」
素早く立ち上がる悠哉さんに声を掛けると、ポンポンと頭を撫でられた。
「ま、まあ…陽菜にとってアイツは友達なわけだし、あれこれ詮索するのは止めねぇとな。」
「へ…?」
「と、とにかく…アイツと話す機会が出来て良かったじゃん。小さい頃のこととか、色々と話せるもんな。」
「………。」
爽やかな笑顔を見せる悠哉さんに、私は言葉を詰まらせてしまった。
昨日は…翔琉くんのことで、悠哉さん…かなり不機嫌だったよね…?
でも今日は…最終的には笑顔になっちゃった…。
何…?
この違い…。
謎…なんですけど。