ふたりだけの特別な絆
うぅ…。
そんな興味津々の目で見られても…。
今の言葉をそっくりそのまま話すなんてこと…出来ないよ…。
返答に困っていると、翔琉くんが明衣のおでこをツンと軽くつついた。
「俺が陽菜ちゃんに何を言ったのかは、明衣には秘密。」
「秘密っ!?ますます気になるじゃん!知りたいなぁ…。」
明衣はニヤリと笑みを浮かべながら、私と翔琉くんの間で視線を行き来させる。
すると、不意に翔琉くんがジャングルジムの方を指差した。
「あっ、明衣。それよりも、あのジャングルジム…覚えてるか?」
「えっ…?」
「3人で、誰が先に上まで登れるか…よく競争したじゃん。明衣、俺より速かったよな。」
「あぁ〜、そう言えばそんなこともしたわね〜!私、翔琉には負けたくない…って思ったのよ。」
「ったく、負けず嫌いなヤツ。」
「何よ、その言い方〜!」
ジャングルジムの方へと走っていく翔琉くんを追いかける明衣に、笑みが零れた。