ふたりだけの特別な絆
突然、公園内に響いた声。
振り向くと、公園の入り口のところで小さく手を振っている人物が目に映った。
「ゆ、悠哉さんっ!?」
驚いた反動で、私は勢いよくベンチから立ち上がる。
思わず、目を見開いてしまった。
なんで…!?
どうして、この公園に?
仕事…今日は早く終わったの…?
様々な疑問が頭の中を駆け巡った。
こちらに向かって、ゆっくり歩いてくる悠哉さんを見ながら固まっていると…
「あ、あの人が如月さんなのっ!?」
興奮気味の声と共に、明衣が私の隣に駆け寄ってきた。
友達からの電話も、ちょうど終わったみたいだ。
「うん。あの人が同居人の如月 悠哉さんだよ。」
「キャーッ!ものすっごくカッコいいんですけど!!私…陽菜の友達として、ちょっと挨拶してくるっ!」
「えぇっ、明衣!?」
テンションが一気に高くなった様子の明衣は、悠哉さんの方へとダッシュで走って行ってしまった。