ふたりだけの特別な絆
告白とキス
翌日の放課後。
クラスの子たちが次々と教室から出ていく中、私は席に座って翔琉くんを待っていた。
話って何かなぁ…。
私に話したいこと…。
頭の中で考えても全く見当がつかず、うーん…と唸っていた時だった。
「陽菜ちゃん、お待たせ。」
ポンと軽く肩を叩かれて、後ろを向くと、そこには微笑みながら立っている翔琉くんの姿があった。
「あっ、翔琉くん!」
私は、ガタッと席から立ち上がる。
「えっと…話っていうのは……」
早速、昨日の話の続きを聞こうとすると、翔琉くんは私の手をギュッと握った。
「ここだと人が多いから…場所を変えたいんだけど、いいかな?」
「う、うん…。」
あれ…?
ここで話すわけじゃないんだ…。
っていうか、翔琉くんってば…まだ周りに人がいるのに、サラリと私の手…握っちゃったよ…!
まさか手を握られるなんて思ってもみなかったので、かなりビックリしてしまった。
「行こっか、陽菜ちゃん。」
そんな私に、翔琉くんはニコッと笑顔を見せると…
私の手を引いて教室から連れ出した。