ふたりだけの特別な絆
Sweet Piece*7
高まる意識
「……ん…」
なんだろう…?
この鼻をくすぐる甘い香り…。
そして心地よさを感じる優しい温もり…。
それに…
なんだかフワフワと頭を撫でられてるみたい…。
すごく気持ちいい…。
そんなことを頭の中でボンヤリと感じながら、ゆっくりと目を開ける。
少し霞んだ視界には、黒とグレーのボーダー柄のセーターが映った。
ん…?
このセーター…昨日、悠哉さんが着ていたような…。
でも、どうしてそれが私の目の前にあるんだろう…??
よく分からなくて、疑問符を浮かべていた時だった。
「……起きた?」
頭の上から降ってきた穏やかな声。
私は驚いて目を見開いた。
い、今の声は…。
そっと顔を上げると、柔らかい笑顔で私を見つめている悠哉さんが映った。
「おはよ、陽菜。」