ふたりだけの特別な絆

「あっ……」


思わず声が零れる。


なぜなら、私が悠哉さんのセーターをギュッと握っていたからだ。


「す、すみませんっ!」


私は慌ててセーターから手を離した。


う、うそ…
いつの間に!?


寝起きで、未だに鈍っている記憶の糸を必死に手繰り寄せる。


えっと…
昨日は、翔琉くんから告白されて凄くビックリしたんだよね…。


それで、心ここにあらずな状態で家に帰って来たら、悠哉さんに私の様子がおかしいこと、気付かれて…


この部屋に逃げてきたけど、後からやって来た悠哉さんに追及されて…


その時に、いきなり…キスと告白をされた…。


しかもキスは2回…。


2回目のキスはとても長くて、息継ぎが上手く出来なかった私は、苦しさのあまり、咄嗟に悠哉さんのセーターを……



そ、そっか…!
それでギュッと握ってたんだった…。


昨日の状況が細かく蘇ってきた私。


全てを思い出した途端、みるみるうちに顔が熱くなってきてしまった。



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