ふたりだけの特別な絆

正直、疑問だった。


昨日の夜…悠哉さんが私に“好き”と言ってくれたこと。


だって、私…特に取り柄がないもん。


料理は不得意で、結局…同居が始まってから今まで悠哉さんに頼りっぱなし。


勉強もまずまずな成績だし、運動神経もそれほど良くない。


それに…
男性に対する免疫も全くと言っていいほど無い。


悠哉さんと何週間も同居しているというのに、未だに過剰反応をしてばかりだ。

これほど酷いと、さすがにウンザリしてるよね…きっと。


うーん…。


こうして考えてみても、浮かぶのは短所だけ。


好き…って言ってもらえるような要素は、どこにも見当たらないんですけど…。


「…………。」


私の質問に、目を見開く悠哉さん。


少し沈黙があった後、今度はフッと笑う声と共に優しい笑顔が私に向けられた。



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