ふたりだけの特別な絆
悠哉さんに対する雰囲気、全然違う…。
ガラッと変わっちゃうんだ…。
ショッピングモールで会った時にも少し感じたけど、やっぱり間違いない…。
水澤さんは、悠哉さんのことが好きなんだ…。
そう感じた途端、胸に痛みが走った。
前に感じた痛みよりも大きい…。
それだけ、私も悠哉さんが好き…ってことだよね、きっと…。
「そ、それじゃあ失礼します。課長、今日は本当にお疲れさまでした…。」
水澤さんは、お辞儀をすると素早く玄関から出て行った。
一瞬…静かになった空間。
でも、すぐに悠哉さんが口を開いた。
「ごめんな。話の途中だったのに…。」
「いえいえ、気にしないで下さい…。あ、あの…今日は水澤さんの車で行ったんですね…。」
告白よりも水澤さんのことが気になり、思わず言葉にしてしまった。
「ああ…。会議の後に懇親会が予定されていたんだ…。それで、俺がお酒を飲んでもいいように…って気を遣ってくれたみたいなんだよ…。」
「そ、そうだったんですか…。」
ということは、悠哉さん…懇親会には出ないで帰って来てくれたんだ…。
ジワッと心に広がる嬉しさ。
今の今まで水澤さんに妬いてたのに、あっという間に気持ちが浮上していくのを感じた。