ふたりだけの特別な絆
ダメだ…。
ドキドキし過ぎて、悠哉さんに気持ちを伝えられるような状態じゃないよ…。
そう思った私は…
「ええっと、その……今日はハードな会議でお疲れだと思いますので、ごっ…ご飯を食べたら早めに休んで下さい…って言おうとしてたんです…。」
告白を断念。
ソワソワと視線を泳がせていると、悠哉さんは私のおでこにキスを落とした。
「そっか!ありがと。陽菜は優しいな。」
悠哉さんからの、とびっきりの笑顔。
ドックン…と心臓が跳ねる。
体中から、今にも湯気が吹き出してきそうだ。
このままじゃ、身が保たない…。
とりあえず退却しよう…。
「あの、悠哉さん…!私、学校で出された課題がありますので、そろそろ部屋に戻りますね…。」
「もう部屋に行くの?まだ俺の傍に居て欲しいんだけどな…。」
そ、そんな真剣な眼差しで言われても…。
ますますドキドキしちゃうだけだよ…。
「あっ、明日までに課題をやらないといけなくて…。け、結構…量もあるので…。」
モゾモゾと体を大きく動かしながら訴えると、悠哉さんは私を降ろしてくれた。
「それなら仕方ないか…。」
少し残念そうな表情を見せた悠哉さんだったけど、すぐにニッコリと微笑んだ。
「んじゃ、課題…頑張れよ。」
私の頭をゆっくり撫でると、悠哉さんはリビングへと入って行った。