ふたりだけの特別な絆
「もしもし、お母さん?」
『あっ、陽菜!久しぶりね〜!元気?』
電話に出ると、お母さんの明るい声が聞こえてきた。
「うん、元気にやってるよ。お母さんとお父さんは?」
『私たちも元気よ!お父さんの出張も来週で終わりだし、もうすぐ陽菜と会えるわね〜!』
あっ…
私は机の上にある小さなカレンダーに視線を移した。
そういえば…
もうそんな時期だっけ…。
お父さんたち…
いよいよ来週帰って来るんだ…。
『お父さんも私も、来週が待ち遠しくてたまらないのよ〜!お土産、たくさん買って帰るからね!』
「う、うん…。」
『そうそう!毎日寒いから風邪ひかないようにね!あと、如月さんに宜しく伝えてくれる?』
「了解…。」
『それじゃあ、来週の土曜日…お昼頃に帰るから、よろしくね!』
「うん…。じゃあね…。」
会話を終えた私は、携帯電話を机の上に力なく置いた。