ふたりだけの特別な絆
温かな夜
とうとうやって来てしまった、悠哉さんとの同居最終日。
授業が終わるなり、学校から急いで帰って来た私は、リビングの隣にある部屋のクローゼットから大きな箱を取り出した。
中に入っているのは、組み立て式のクリスマスツリーだ。
せっかくだから、クリスマスらしい雰囲気の中で過ごすのもいいよね…。
ちょっと早い、私と悠哉さんのクリスマス…。
昨日、学校帰りに悠哉さんにプレゼントも買ったし…あとで渡そう…。
私は、心を踊らせながらツリーを組み立て始めた。
「えっと、ここを差し込んで…それから……」
集中して作っていく。
しばらくすると、自分の背丈の半分ほどのツリーが出来上がった。
よし、あとは…飾りつけしなくちゃ。
キラキラ輝くボールやベル。
雪のようなフワフワの綿。
イルミネーションのライト。
それらを、丁寧にツリーへ飾りつける。
完成したところで、玄関のドアが開く音が聞こえてきた。