ふたりだけの特別な絆
「おっ、クリスマスツリーだ!」
リビングに入ると、悠哉さんは直ぐにツリーに気付いてくれた。
「はい…。華やかな雰囲気になるかなぁ…と思って、飾ってみました…。」
「いいじゃん。クリスマスムードが高まるよな。」
悠哉さんは声を弾ませる。
無邪気な笑顔に、私も顔が緩んでしまった。
良かった…。
ツリー、喜んでもらえたみたい…。
嬉しい気持ちに浸っていると、悠哉さんは私の前に小さな手提げの箱を差し出した。
「こ、この箱は…?」
「帰りに、会社の近くにあるケーキ屋に寄って買って来たんだ…。」
「わぁ!ありがとうございます…!ケーキ…大好きなんです!」
ウキウキしながら受け取る私に、悠哉さんは目を細めた。
「やっぱり、陽菜は笑顔が一番似合うな。」
ジッと見つめられ、照れくさくなった私は、キッチンの方に視線を逸らした。
「とっ…とりあえず、ケーキは冷蔵庫に入れておきますね…。あとで一緒に食べましょうね…。」
「そうだな。じゃあ…夕食の準備して、ご飯食べよっか。」
ポンポンと頭を撫でられた私は、小さく頷いた。