ふたりだけの特別な絆
その後、悠哉さんと一緒に夕食の準備をした私。
いつもはキッチンで食べるけれど、今日は特別。
ツリーが置いてあるリビングへと料理を運んだ。
私はジュース、悠哉さんはシャンパン。
それぞれのグラスに注いで、手に持った。
「それじゃあ…乾杯。」
悠哉さんの言葉を合図に、二人でグラスを合わせる。
一口飲んでから、私たちは料理を食べ始めた。
悠哉さんお手製の魚介類のパスタ、彩り鮮やかな野菜のサラダ、ハンバーグ。
どれも、お店で出せるんじゃないかと思うほどだ。
「悠哉さんの料理は、本当に美味しいですよね!」
「そんな風に…幸せそうな笑顔で言ってもらえて、俺も幸せだよ。」
目を細めて笑う悠哉さんに、ドキッと心臓が跳ねる。
危うく、持っていたフォークを落としそうになってしまった。
「悠哉さん…私が食べるところ、あまり見ないで下さいね…。は、恥ずかしいですから…。」
それに…
ドキドキしちゃって、食事どころじゃなくなるし…。
そう思って、お願いをしてみたけれど…悠哉さんはニンマリと不敵に笑った。
「そんなこと言われると、余計に見ていたくなる…。俺は…陽菜の笑顔、可愛くて大好きだから。」
「ゆ、悠哉さんっ!」
顔や頭から湯気が吹き出そうだ。
悠哉さんの甘い視線に、料理を食べるスピードが格段に落ちた私。
食べている間、ずっとドキドキしっぱなしだった。