ふたりだけの特別な絆
「涙は…悲しい時だけじゃなくて、嬉しい時にだって流れるよ。」
微笑む悠哉さんは、私をギュッと抱き締めた。
「ちょっ…、悠哉さんっ!?」
「陽菜は純粋で、本当に可愛いな…。」
「そ、そんな…別に可愛いっていうわけじゃ…」
フルフルと首を左右に振ると、悠哉さんは抱き締める力を少し強めた。
「俺、この家で陽菜に出会えて良かった…。」
その言葉に、また溢れる涙。
次から次へと頬をつたっていく。
嬉しくて温かい気持ちに心が満たされていくのを感じた。
「悠哉さん…。」
「どうした?」
「あの、今夜はずっと…傍に居てもいいですか…?は、離れたくなくて…。」
思わず心の声が言葉になってしまった。
明日の同居期限まで、少しでも長く悠哉さんの隣に居たい…。
そう思ったんだ…。
「…………。」
何も反応のない悠哉さん。
不思議に思って顔を上げた途端…
「きゃっ…!」
私の体はソファーに押し倒されていた。