ふたりだけの特別な絆
「お帰りなさい…!」
玄関に行くと、お父さんもお母さんもパアッと笑顔を浮かべた。
「陽菜!久しぶりね〜!」
「元気そうだなぁ!お父さん、ホッと安心したよ!」
テンションの高い二人に圧倒されたけれど、さっきまでの緊張は直ぐに解けてしまった。
心に広がる温かくて和む気持ち。
私は満面の笑顔になっていた。
「お父さんもお母さんも、出張…お疲れ様!今日は、ゆっくり休んでね…。」
「ありがとう。」
二人で声を揃えて言った後、お父さんたちは悠哉さんに視線を向けた。
「悠哉君、2ヶ月間…陽菜を見守ってくれて、ありがとう…。」
頭を下げるお父さんに続けて、悠哉さんもお辞儀をした。
「こちらこそ、留守の間…住まわせていただき、ありがとうございました…。」
「如月さんが居てくれたから、私たち…出張先でも安心して過ごせたわ…。本当にありがとう…。」
お母さんは頭を下げた後、私と悠哉さんを交互に見つめた。
「二人とも、なんだか良い雰囲気!恋人同士って感じね!」
「えぇっ!!お母さん、どうして分かるの!?」
反射的に私の口から零れた言葉。
一瞬…シーンと空気が静まりかえったけれど、すぐにお母さんは、ふふっ…と優しく笑った。