ふたりだけの特別な絆

「悠哉さんっ!」


車に乗り込もうとしていたところを、すかさず呼び止める。


振り向いた悠哉さんは、駆け寄る私に優しく微笑んだ。


「陽菜…色々とありがとな。お前と一緒に過ごせて、毎日が…すごく楽しかった。」


「私も楽しかったです…。さっき…お父さんも言ってましたけど、良かったら…またこの家に来て下さいね…。」


「ああ。無性に会いたくなった時、いきなりお邪魔させてもらうかも…。」


悠哉さんはフッと笑った。


「わ、私も…悠哉さんの部屋に遊びに行きます…。それと……」


そこまで言ったところで、私は昨日…悠哉さんからもらった合鍵を手に持って、軽く揺らした。




「受験を頑張って高校を卒業したら…、絶対に悠哉さんの部屋に行きます…。いっぱいいっぱい、悠哉さんと一緒に過ごしたいから…。」


素直な気持ちを、あらためて伝えた。


未来の新しい同居生活が実現するように、来年は…受験勉強に励まないと…!


心の中で意気込んでいると、悠哉さんは私の背中に手を回す。


そして、グイッと引き寄せると、私の唇に温かいキスを落とした。



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