ふたりだけの特別な絆
行っちゃった…。
車が見えなくなるまで、家の前で見送った私は、小さくため息を零した。
やっぱり、寂しさは…どうしても感じるなぁ…。
でも、暫くしたら…電話だってかかってくるんだし、しんみりしている場合じゃないよね…。
さてと、家の中に戻ろう…!
そう思いながら玄関先まで歩いて来ると…
「ふふっ…。陽菜ってば可愛いわね〜!」
突然、ガチャッと開いたドア。
驚いた私は、体がビクッと震えた。
「えっ、お母さん!?いきなり何??」
「如月さんとラブラブなのね〜!見ていて凄く微笑ましかったわよ〜!」
「えっ!!みみっ…見てたねっ!?」
「うん。このドアの隙間からこっそり。だって…気になっちゃったんだもん。」
ニコニコしているお母さんを前にして、私の顔は瞬く間に沸騰しそうなほど熱くなった。
…ということは、キスも…抱きしめられたところも…みんなバッチリ見られてたってことだよね…。
ひゃああ!!
は、恥ずかしいっ!!
咄嗟に顔を両手で覆う。
そんな私の肩を、お母さんはポンッと軽く叩いた。
「さあ、陽菜!この2ヶ月間、二人でどんな風に過ごしてきたのか、リビングでたっぷり聞かせて?」
「えっ、そんなこと言われても…。」
「ほらほら、早く!お父さんも、陽菜と如月さんの話を聞きたがってるんだから!」
顔を覆っていた手を離すと、興味津々そうなお母さんの表情が映った。
私は、お母さんにグイグイと背中を押されてリビングへ。
その後は、お父さんとお母さんに促されて、2ヶ月間の同居生活のことを、たくさん話すのだった。