ふたりだけの特別な絆
「他人ってわけでもねぇだろ?俺は同居人なんだし。」
「何も知らない者同士なんですから、他人は他人です!早く出て行って下さい。」
ムッとしながら言うと、男の人は苦笑いを浮かべながら立ち上がった。
「陽菜は本当に冷たいよな、俺に。宏明おじさんたちから電話きてるから、せっかく呼びに来てやったのに…。」
え…?
今、何て…?
「ちょ……ちょっと待って下さい…。電話って、今…かかってきてるんですか?」
部屋から出て行こうとする男の人を慌てて引き留めた。
「そうに決まってるじゃん。保留にして待ってて貰ってるところだけど?」
「……そ、それを早く言って下さい!!」
転がる勢いでベッドから降りた私は、バタバタと慌ただしく階段を降りて、リビングへと向かった。