ふたりだけの特別な絆

「でも、そんな反応されると何度もやりたくなるけどな。」


「ダメです。絶対に禁止!」


キッと睨んだものの、如月さんには、まるで効果がないみたいだ。


もう…!
こんなことしてたら、本当に遅刻しちゃう…。


さっさと行かなくちゃ…。

「あ、あの…早く学校に行きたいので、失礼します…!」


クルッと背を向けて玄関のドアを開けた。


「陽菜、気をつけて行って来いよ。」


ポンと飛んできた声に、ゆっくりと後ろを向くと、如月さんはヒラヒラと手を振っている。


その表情は何やら満足そうな笑顔に見えた。


「い、行って来ます…。」

私はムスッとしながら、小声で言葉を返した後、家を飛び出して猛ダッシュで学校へと急いだ。



< 57 / 467 >

この作品をシェア

pagetop