ふたりだけの特別な絆
「でも、そんな反応されると何度もやりたくなるけどな。」
「ダメです。絶対に禁止!」
キッと睨んだものの、如月さんには、まるで効果がないみたいだ。
もう…!
こんなことしてたら、本当に遅刻しちゃう…。
さっさと行かなくちゃ…。
「あ、あの…早く学校に行きたいので、失礼します…!」
クルッと背を向けて玄関のドアを開けた。
「陽菜、気をつけて行って来いよ。」
ポンと飛んできた声に、ゆっくりと後ろを向くと、如月さんはヒラヒラと手を振っている。
その表情は何やら満足そうな笑顔に見えた。
「い、行って来ます…。」
私はムスッとしながら、小声で言葉を返した後、家を飛び出して猛ダッシュで学校へと急いだ。