ふたりだけの特別な絆
そして、10分後…。
私は息をきらしながら、教室に駆け込んだ。
ホームルームが始まる数分前…。
まさに、ギリギリセーフだ。
遅刻せずに済んで良かった……。
ホッと安心しながら席に着くと、明衣が素早く私のところにやって来た。
「あっ!陽菜、おはよう〜!こんなにギリギリの時間に来るなんて珍しいね…。何かあったの?」
「実は…うっかり寝坊しちゃったんだ…。」
ハァ…とため息をつくと、明衣はポンポンと私の頭を撫でた。
「たまにはそんな日もあるよ…。仕方ないって!それに、ちゃんと間に合ったんだから良かったじゃん…。」
「う、うん…。」
優しく慰めてくれる明衣に、ニコッと笑顔で頷いた。