ふたりだけの特別な絆
なんで今日は、そんなに帰って来るのが早いのよ…。
途端に気持ちが沈む。
ため息を零しながら、ゆっくりとドアを開けた。
「た、ただいま……。」
いつものクセで、なんとなく声を出してしまったけれど、特に家の中から言葉は返ってこない。
なんか…静かだ…。
如月さん、いないのかな?
もしかしたら、近くに買い物でも行ったのかもしれない…。
それならそれでいいや…。
二人より一人の方がいいし…。
内心ホッとしながら、靴を脱ぎ終えた時だった。
「おっ!陽菜、帰って来たのか。お帰り。」
いきなり、家の奥の方から聞こえてきた声に、胸が騒めく。
おそるおそる、そちらに視線を向けた瞬間……
「きゃあああっ!!」
またまた私は大きな悲鳴をあげてしまった。