ふたりだけの特別な絆
「今度は何だよ…。そんなに叫んでばかりだと、近所の人が不審に思うぞ?」
「だっ、だって…服っ…!上半身、服着てないじゃないですかっ!!」
私はアタフタしながら指差すと、如月さんから視線を逸らした。
黒いジーンズは履いてるものの、上は何も着てない如月さん。
帰って来て早々、こんな光景に出くわすとは思ってもみなかっただけに、鼓動が尋常じゃないぐらい速くなってしまった。
「ああ、今…風呂上がりだからな…。Tシャツ、リビングに置き忘れて来たんだ…。」
「普通…忘れないですよねっ!?」
「別に家の中なんだから、いいだろ?異義でもあんの?」
「あるに決まってるじゃないですか!い、いくら家の中って言っても、わ…私もいるんですから、ちゃんと服は着て下さいっ!!」
ピシャリと言った後、如月さんの方を見ないようにしながら、慌てて階段を駆け上がって自分の部屋へと入った。