ふたりだけの特別な絆
じゃがいも、人参、玉ねぎ、お肉…。
カレーに入れる材料は揃えたし、これを切っていかなくちゃいけないよね…。
よ、よし…頑張るぞ。
心の中で意気込みながら、まずは、じゃがいもを手に取った。
「陽菜、本当に一人で大丈夫か?なんなら俺、手伝うけど…」
如月さんは、何やら少し不安そうな表情で私を見ている。
リビングに戻ろうとしていた足もピタリと止まっていた。
「大丈夫ですから、放っておいて下さい…!」
プイッと如月さんから視線を逸らした後、カレー作りを再開。
ピーラーを使って慣れない手つきで皮を剥き、ゴロン…とまな板にのせて、包丁を手にした。
久々に包丁使うから、ドキドキする…。
緊張で包丁を持つ手を震わせていると、横からひょっこりと如月さんが覗きこんできた。
「お、おい…。本当に大丈夫か?なんか…手が震えてるけど……」
「大丈夫ですってば!集中出来ないから、止めて下さい!!」
如月さんをキッと鋭く睨んでから、じゃがいもに視線を移した。
片手でじゃがいもを押さえながら、フルフルと震える手で包丁をおろしていく。
そして、じゃがいもを切り始めた時だった。
「………痛っ!!」