ふたりだけの特別な絆
「まずは消毒するから、指見せてみ?」
「消毒…するんですか?」
「当たり前だろ?ちゃんと殺菌しておかないといけねぇからな。」
うぅ……
消毒、苦手なんだよね…。
人差し指を如月さんの方に出すのをためらっていると、如月さんがフッと笑った。
「陽菜、早く消毒して手当てしないと、ずっと二人でくっついたままだぞ?それでもいいのか?」
「えっ…!?」
そ、それは無理!!
断じて無理っ!!
私は、如月さんに慌てて人差し指を見せた。
「陽菜って、素直じゃない時もあれば、分かりやすいぐらい素直な時もあるんだな。」
微笑ましそうに笑っている姿にムスッとしていると…
「少し、しみると思うけど…我慢しろよ?」
優しい声と共に、如月さんは私の人差し指を大きな手のひらにのせて、消毒をし始めた。
消毒液がしみて、思わずギュッと目を瞑る。
体を少し強張らせながら我慢していると、如月さんから“終わったよ”と耳元で囁かれた。