ふたりだけの特別な絆
「みっ…耳はダメって何度も言ってるじゃないですかっ!」
私は、ビクビクッと体が跳ね上がってしまった。
「悪い悪い。陽菜が頑なに目を閉じてるから、普通に声掛けてもダメかと思ってさ。」
なっ…何よ、その言い分。
全く“悪い”だなんて思っていないくせに…。
不満たっぷりの視線を送ると、如月さんの手は私の頭の上へ。
そのまま、ポンポンと撫でられた。
「思ったよりも傷口が深くなくて良かったな…。あんまり無茶すんなよ?」
その言葉と同時に向けられたのは、優しい笑顔…。
それを見た瞬間、ドキッと心臓が跳ねてしまった。