ふたりだけの特別な絆
ふと視線をキッチンに向けると、如月さんは準備を始めていた。
トントン…と一定のリズムで食材を切る音が響いてくる。
手早く切り終えると、鍋で食材を炒めたり、水を入れたり…。
リビングから見ていても、色んなところで手際のよさを感じてしまった。
もしかして…如月さんって、料理作るの得意なのかな…。
ポカンと口を開けながら、如月さんの姿を目で追っているうちに、いつの間にかカレーは完成したようで…
「陽菜、お待たせ。出来上がったから、こっちに来いよ。」
笑顔の如月さんに手招きをされ、私もキッチンに移動した。
「わぁ…美味しそう…。」
テーブルを見た瞬間、自然にそんな言葉が漏れた。
ふっくらとしたご飯にかけられた熱々のカレー。
そして、付け合わせのサラダも一緒に並べられていた。
「カレーは多めに作ったから、遠慮なくお代わりしていいぞ?」
「は、はい…。」
私がイスに座り終えると、如月さんは“いただきます”と言って、早速食べ始めた。