ふたりだけの特別な絆
「陽菜は…どうする?」
「えっ…?」
「お父さんとしては…、陽菜も一緒に来てくれると嬉しいけど…、学校のこともあるから無理強いは出来ないもんな…。」
穏やかな声だけど、表情は気まずそうな感じに見えた。
どうしよう…。
家族一緒がいいけど、お父さんについて行くとなると、少しの間…別の学校に通うことになる。
2ヶ月ぐらいとはいえ、学校環境が急激に変わるのは…ちょっと嫌だな…。
来年の大学受験に向けて、進路も勉強も、より本格的になっていくし…。
明衣や他のクラスメイトの子たちと、しばらく会えなくなっちゃうのは寂しい……。
頭の中で色々と考えた私は、しばらくして口を開いた。
「私…ここに残りたい…。」