運命のヒト



扉が開く音がして一人の男の子が入ってきた。





「……!!うっわ…イケメンじゃん!!!」



と、環那。





入ってきた男の子は確かにイケメン。




クリックリなぱっちり二重に
すっと高い鼻。



身長は175cmくらいの細身で
黒髪は程よく立ててある。



制服の着こなし方は
ほんとに転校生?!
ってくらい生意気で、
明らかに変形した学ランの第一ボタンを開けて、長い足に腰パンしている。



いかにもやんちゃって感じ。



多分これでも転校初日だからちゃんとしてきた方なのだろう…。




うちの学校の不良グループに
目つけられんなこいつ…。




「じゃあ自己紹介して。」



と担任が言うと



「T中から転校してきました。おだぎりりゅうです。よろしくお願いします。」



と言ってニコッと笑った。




……"小田切龍"かぁ。




あたしは担任が黒板に書いた字を見ながら思った。




笑った小田切龍は、面食いでないあたしでさえちょっとドキっとするくらい可愛いかった。





こんなんじゃ女子皆狙うよね?
男子皆ひがむよね?




あたしの予想通り、
すでにクラスの女子たちは目をキラキラさせてうっとりと小田切龍を見つめ、男子は口をポカーンと開けて間抜けっ面だった。





…あはは



こんな人気者、
関わることなさそ~…



ってゆうか関わりたくね~…




ってこのときは思ってた。





ま、あとで嫌ってくらい関わることになるんだけどね……






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