運命のヒト
――龍side――
転校初日。
これでも一応緊張している俺。
これでも一応ちゃんとしてきたつもりの俺。
なのに皆凄い目で見てくる。
……あれ?
俺、早速浮いてる?
「じゃあ小田切の席は…」
「隣良い?」
と聞いて、担任を無視し、とりあえず一番後ろの端に座った。
一番後ろの一番端って超良いじゃん。
それに隣の女の子だけ俺のことキラキラした顔じゃなく、普通の顔で見てるし。
てか嫌そう?
まぁそういう目で見られるの慣れたし、別に気にしないけど。
「名前何?」
「高見乃愛。」
「乃愛かぁ…。よろしく。」
この子…乃愛だっけ…?
よく見ると可愛いじゃん。
俺のこと睨んでなかったら、だけど。
担任が出て行ってから、俺は痛い視線から逃れるため、教室を出た。