超能力者だけの世界で。
―中央区・南中通り―
南区と中央区を結んでいる大通り。
色々な人が歩いている。
その中に磁波エレキ。
部屋には兄、磁波カンジがいる。
2人でいると何故か気まずい。
だから、1人で外を歩いている。
しかし、
少年は誰かに呼び止められた。
「エレキ。暇人なのね。」
「ひっ…火野さんっ!!」
火野愛紗。
赤毛の女性。
多彩荘の住民。
闇原黒也の部屋によく現れる。
最近は何処かに出掛けていたと聞いている。
「暇なら私に付き合って。」
「?」
「黒川赤次の所に行くの。話があってね。」
「黒川赤次?」
「そうね。黒也の保護者かしら?《タブルアビリティユーザー》の1人。敵に回すと厄介な奴。」
黒川赤次。
少年が会ったことはない。
火野愛紗は時々だが、会っているらしい。
闇原黒也の過去を知る人物。
その人物は中央区に現れると言う。
エレキは取り合えず、愛紗の後についていく。
「楽しそうですね…。」
「まあね。アイツに喧嘩を売ろうと思って♪」
「ええっ!?敵に回すと厄介なんじゃ!?」
「大丈夫よ。黒川だって分かってるハズよ。」